Untitled.短文保管庫。
最近は殆どがこっちの更新です。

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Let's look at the new world ! : 03
 
「さて、行こうか」と、サトシさんに連れられ空港を出る。
「あー、コレコレ。何かこの空港を出て車に乗って街に行くっていうのがまた旅だーって感じするんだよねぇー」
車内にはドイツ語のポップスが流れ、助手席に座る私は少しだけ窓を開けて外の風景を楽しむ。運転席のサトシさんに「吸っていい?」と青緑色の箱を振って見せれば「灰皿持ってるならどーぞ」との返答。
「しかし、あの小さかった葎花ちゃんがニコチン中毒に……」
「いやぁ、しょうがないと思うよ? ウチのタバコに対するハードル低すぎなんだって」
ハンドルを握りながらわざとらしく悲しげな声を出す彼にしれっとそんな事を返しながらジッポーでタバコに火をつける。免税範囲のタバコは持ち込んだけれど、さていつまで持ってきたヤニが持つものか。折角だから、この国のタバコも味わってみたい。高いけど。
タバコの煙は勢いよく少しだけ開けた窓から車外へと流れていき、携帯灰皿に伸びた灰をポトリと落とす。

「それはそうと、凄まじい今更館有るんですケドも本当にサトシさん所泊まって良いの?」
短くなったタバコを灰皿の中で揉み消しながら、思い出したかのようにそう問いかける。
「本当に今更だなぁ、一人身だしね、好きなだけ居れば良いよ」
「彼女のひとりやふたり位」
「居ないって」
「じゃあ彼氏だ」
言葉の綾のように自然と出たその言葉に噎せたのは運転席のサトシさんで。
「え、マジ?」
思わず口をついて出たその言葉を最後に、ポップスだけが陽気に流れる車内の空気は2人分の沈黙が重苦しいそれへと変わる。黙ってるのにも疲れた私は2本目のタバコに火をつけて、ため息の代わりに煙を吐き出す。
「大丈夫大丈夫、幼馴染から始まり元同僚、弟、従兄その他諸々と無駄にカムアウト慣れしたのでサトシさんが彼氏連れてきたって驚きゃしません」
そう言えば、彼はキョトンとして思わずと言うように笑い出す。
「葎花ちゃんも中々に面白い生活送ってるねぇ」
「サトシさん程ではないですよ。こう見えて数週間前まで社畜ですからね社畜」
「じゃあ彼氏の存在がバレたついでに会ってみる?」
カラカラと笑うサトシさんに幼馴染の影がちらつき思わず叫ぶ。
「相手の了承を得て下さいね。修羅場に!巻き込まれるのは!真っ平だ!!」
「えっ、本当に葎花ちゃんはどんな生活を送ってたっていうの?」
「サトシさんに言われたかないやい」
私をからかうような声色で話すサトシさんにそれだけ返して私は3本目のタバコに火を付けた。

よし、滞在中のタバコについて、1箱位はサトシさんにタカってやろう。


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笹野のゲイエンカウント率の高さについて(結局類友感ある)
 
| 21:21 | 飲んで喚いて呑まれて飲んで。 | comments(0) | - | posted by 狭山 |
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