Untitled.短文保管庫。
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チョコレートの箱を開けよ! #02


大学を卒業してバイト先の近くに住み始めてからもう数年が経っていた。

ルームシェアをしている同居人は中学の頃の先輩であったらしい。ぶっちゃけ、知らなかった。
彼のことを知ったのは大学に入り、街のシネコンでバイトを始めてからだった。


くのり君とそごうサン


僕は休日、同居人は仕事だったその日、僕は久々に家でDVD三昧だ、と朝からずっと映画を見続けていた。マグカップにはティーバッグで適当に淹れた紅茶、ティーバッグとお湯のお代わりはテーブルの上にセッティング済み。どうせ山盛りになってしまうだろう灰皿は今の内に綺麗にしておき、小腹が減ったときにつまむ為のスナックも添えて。僕が起きた時には既に同居人は仕事へ出ていて。きっと帰りは夕方過ぎだと予測して、適当にフレンチトーストを焼いて腹に収める。リビングのソファに腰掛けて、見る予定のDVDをテーブルに積んで、一枚目を流し始める。そうやって何枚かのDVDを消費したところで同居人がリビングに入るドアの前に突っ立ってる所を発見した。
「おかえり」と笑えば、彼は「ただいま」と笑い返すのだ。
僕は何だかんだで、この生活が気に入っている。
 
それはさておき、この生活を続けるに当たり、同居開始直後に僕ら――主に彼から僕に対して――はひとつのルールを設けた。
家に人を呼ぶ際は、事前に同居人に断りを入れておく。特に、男を連れ込んでヤらない。
これに関しては完全に僕のやらかした事である。ていうか、酔って記憶無くして気づいたらベッドの上で、隣には自分以外の男が一人、そしてお互い裸。という状況を久々に作り出したタイミングと場所が悪かった。即ち同居開始直後、同居人が住んでる自宅の自室。
しかも僕の相手も同居人が居るなんて事を知らないからパンツ一丁でリビングに出て、同居人と鉢合わせ。そこで同居人が僕の性癖を知ることとなる。
簡単に言えば、僕が両刀で、更には誰とでも寝るという緩い下半身の持ち主であるということ。完全に、やらかした。
その後、僕が一夜の相手を家から丁重に追い出し、同居人からの説教を受け、以上のルールが設けられたが、その話はそこで終わり、今でも平穏な同居生活が続いている。
その一件の後僕の下半身が締まったかというとそうでもなく、ただ単に家に連れてこなくなっただけなのだけれども。自分が気に入ってる生活を態々自分でぶち壊したいとも思わないし。そしてその後同居人が誰かを連れてくる事も無く、お互いのプライベートはお互いに良く分からない状態になっている。そのくらいが丁度いいのだろうとも、思う。
ただひとつ問題なのは。
 
「かえでー、先シャワー入るかんな」
ソファの後ろを上半身裸でバスタオル片手に同居人であるムツが通りながらそう宣言する。
「じゃぁ僕がシャワー浴びてる間に飯お願いね」
ソファに座りながら僕は視線だけムツに向けつつ声を飛ばす。
「ハイハイ、分かったよ」
あきれた笑みを含みながら、チカシは僕にそう返す。
そして、バスルームに続くドアが閉じられ、暫くするとシャワーの水音が聞こえてくる。
「何なんだアイツ誘ってんのかマジ意味わかんねー!!!」
叫ぶことも出来ず、殆ど吐息みたいな声で僕は一人ボヤくのだ。
僕が”そういう性癖”であるにも拘らずというか、それを気にせずこういう行動を取るのだ。
因みに僕がそうやってもガン無視スルーである。誘ってんだよド畜生!
そう、ただひとつの問題と言うのは、チカシが僕のストライクゾーンど真ん中ストレートで好みだということである。貞操観念とか煮て焼いて食って捨てた僕にとってこの数年の我慢はかなり頑張っている方なんですけど、そろそろマジで行動に出てもいいですかね?
 
「――って行動に出て同居解消されるのだけは、是が非でも避けたい!」

そうして僕は今日もまた悶々と夜に一人で下着を汚すのだ。
誰か、そんな僕の虚しい生活に救いの手を。
 
――――――――――――――――――――

九里君と十河サン。
一人下着を汚す九里君に愛の手を。
九里君は本命相手には純情みたいです。
 
| 20:23 | チョコレートの箱を開けよ! | comments(0) | - | posted by 狭山 |
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