Untitled.短文保管庫。
最近は殆どがこっちの更新です。

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今年もあなたの隣で。

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ガランガランと鐘を鳴らし、小銭を入れてから2回頭を下げて、2回手を打つ。そして祈ってもう1回頭を下げる。そんな動作を隣に立っている着物を着た男の真似をしながらやりきれば、その男は幼い子供にやるようにボクの頭を撫でてくる。
「子供じゃないんですケドー」
鐘を背にして階段を降りながら隣に立つ男にそう抗議すれば「そうだな」と笑う。
「瀬波さん、甘やかさなくて良いですからね」
そんな僕らの後ろから、真面目そうな男の声が飛ぶ。
「トキだってボクには甘々の癖に何言ってるんだか」
ボクが誰に言うでもなくそう声を投げればボクの隣に立つ男と、さっき声を飛ばした男の隣にいる男が笑う。シュンメとコースケだ。ボクとシュンメ、コースケとトキで並びながら4人で参道を歩く。着物姿なのはシュンメだけだ。
「時嗣は俺が甘やかさないとな?」
コースケがそう言って隣に立つトキに笑いかける。チラリとそんな2人を見ながらコースケってそんな顔も出来たんだ。と同じようにチラリと後ろに視線を投げていた隣に立つシュンメと目配せし、笑う。
シュンメと同じだけの期間一緒に暮らしていたコースケが楽しそうなのは何より。異母兄であるトキが満更でもなさそうなのもまた何よりだ。そういえば後ろの二人はどちらも淡泊そうでいるけれど、トキの熱烈なアタックでくっ付いている事は知っているし、デートの度にお互いボクにそれぞれ相談してくるから割とあのカップルの内情を知ってしまっている。隣に立つシュンメに目配せをし、後ろに立つ二人には気付かれないようにアイコンタクトを送り合えば、シュンメも僕の意図をわかってくれたようで口角を少しだけ上げる。
 
「シュンメ!エンニチに行きたい!タコヤキとオコノミヤキとヒロシマヤキ!!」
いつも以上にワザとらしい声を上げてボクはシュンメの外套を乱れない程度に引く。
「しょうがないなぁ、じゃ、俺たち先に行ってるから」
シュンメもボクと同じくらいわざとらしい声色でボクの肩を抱きそのまま後ろの二人に少しだけ目配せしてから二人を引き離すように少し大きな歩幅で歩く。着物の癖に洋服と変わらないくらいのスピードで彼はいつものように歩いて行く。いつもと違うのは足元でカランコロンと鳴る下駄の音。靴音とは違う木が石畳を叩く音は聴いていて結構心地がいい。
ボクらは屋台が立ち並ぶ参道をそのまま横目で流して神社を出るのだ。
「よし、撒けたな」
悪戯小僧よろしくニヤッと笑うシュンメにボクも笑顔を見せる。彼らを二人きりにさせたいのもあったけれど、ボクらだって二人きりでいちゃいちゃだってしたいのだから。少しもたれ掛かるようにシュンメに身体を寄せれば、シュンメは笑ってそのままボクの肩を抱きとめる。
 
「さて、と。2人がこの意図に気付いてるかは兎も角、家に帰るってのも芸がないよな?」
携帯の電源を切りながらシュンメはニヤリと笑う。
「変なトコ抜けてるから普通に家に戻って来そうだしネー」
ボクもシュンメに倣って携帯の電源をオフにしてからそれにさ、と言葉を続ける。
「ボクだってシュンメと2人でイチャイチャしたかったし?」
そのままもう少しだけ体重をシュンメに寄せれば「ホント、可愛くなっちゃって」と彼はボクの頭を優しく撫でるのだ。
「数年前は嫌味ったらしいクソガキだったくせになぁ」
「一言余計!ボクだってあの時はいっぱいいっぱいだったの!」
笑いながらボクを抱きとめるシュンメにわざとらしく拗ねて見せれば「ごめんごめん」と柔らかく笑いながら頭を撫でる力を少しだけ強める。その声はどこまでも甘く響いて、やっぱり好きだなぁ、と心の中だけで呟く。
 
「さて、とりあえず飯でも食うか?どっかタバコ吸える喫茶店か飯屋か」
「それなら居酒屋ランチとかでいいんじゃないの?」
そういえば昼飯時だった。やってんのかなーなんて笑いながらボクらは繁華街の方へと足を向けた。
 
きっとボク達は今年もこうやって楽しく暮らしを続けていくのだろう。

 

 

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こんなにいちゃついているセナヴィンを書いたのは初めてではなかろうか。

2017年はセナヴィン強化したい(言うだけタダ)

 

 

| 21:46 | Unser Haus! | comments(0) | - | posted by 狭山 |
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