Untitled.短文保管庫。
最近は殆どがこっちの更新です。

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大晦日の夜に、

 

同居人であり恋人である青嗣は流石に年末年始は帰省しないと、と地元へ帰り、割と仲良くしている従弟妹であるハジメやリツも忙しくしている。そもそもハジメは帰ってこないというし、リツは社畜に恥じぬ仕事ぶりで年末年始は働きづめらしい。だからといって実家に帰るのも面倒くさい。そうなると30も半ばになった男が1人寂しく自宅の居間で年末特番を見ながらソファでごろごろとする他ない。
無かった筈なのだが。

 

「ウヒロセンパイ、酒適当に作って良いですかー?」
「何でこうなっちまったかなぁ」
「なんか言いました?」
「なんも」
テレビでは紅白が流れ、何故かカウンターを挟んだキッチンでは年末年始で帰省してきたという大学時代の後輩である大濔が何らかのカクテルを作っている。ソファに寝そべる俺のボヤキにカウンター越しから反応する男に一言だけ返せば「そうですか?」と顔を引っ込める。

 

「ハイ、好きでしたよねセンパイ」
カウンターから戻ってきた男の手には2つのグラス。俺の前に置かれたグラスを少しだけ上体を起こして持ち、一口含めばキツいジンの味とライムの苦味が微かな酸味と共に広がる。
「よく覚えてんなぁ。もう10年は経ってるのに」
大学時代に懐いてきた後輩ではあるが、彼が卒業してから殆ど会っていない。たまに飲みに行くことはあれど、家で、というのはそれこそ大学時代振りではなかろうか。
「そりゃあセンパイの好きなものですから」
学生時代と変わらないソツのない回答に変わらないなぁと思う。
「それにしても懐かしいですよねー、まぁ、学生時代とは別の家ですけど、こうやってセンパイの家に来るのって」
彼は彼で自分の分のグラスを口にしながらアルコールなのであろうそれを喉へ流し込み笑う。
「お前結構ウチに入り浸ってたもんな」
「実家よりセンパイの家の方が近かったですし」
何よりセンパイが居ましたから?なんて笑うのだ。
「偶にリっちゃんも来て楽しかったなぁ……リっちゃんは今何してるんですか?」
俺の返事は聞かずに一人でベラベラと喋っていたと思えば、当時この男とも仲良くしていた従妹の消息を訊ねて来て。
「リツももう何年か前に就職して今や立派な社畜だよ。年末年始も働き詰めだと」
お前のトコで雇ってやれば?なんて冗談めかして言ってやれば「俺に人事権は無いんですけども?」と笑い「でも、あの頃のリっちゃんがそのまま大きくなったと考えると結構使える社会人になってそうだしウチの面接受けて欲しいなぁ」なんて続けるのだ。
「もしリツが今の会社辞めたら言っとくわ」
「それにしてもセンパイ、未だにリっちゃんと仲良いんですね?もしかして一緒に住んでるのってリっちゃん?」
一緒に住んでいる、という単語に動揺し、後輩へと視線を合わせる。
「……ちげーよ、リツはリツで一人暮らししてて、よく飲みに行くだけ」
この回答じゃ誰かと暮らしてる事は否定できないな、なんて思っていれば案の定「じゃぁ同棲だ」と人好きのいい笑みを浮かべながら言葉を続ける。

 

「同棲……と言うよりもなし崩し的に転がりこまれて今に至ってる感じだけどな」
地元に戻っている恋人との同居の経緯を思い出しながらそう答えれば「へぇ」と彼は呟く。
「それじゃ、俺にもまだチャンスはあるんですかね?」
「何言ってんだか」
後輩はそんな俺の言葉にいつもの爽やかな笑みを浮かべてソファに寝そべる俺の上に被さってくる。

 

「最近仕事忙しかったんで、相手も居なくて溜まってんですよ」
「俺じゃなくてもお前ならすぐ引っ掛けれるだろ」
「センパイがイイんですよ。ね、良いでしょう?」
後輩の顔が近づく。テレビでは鐘の音が鳴っていた。

 

 

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宇宙さんの浮気になるのか。大澆気鵑力辰詫菁ちゃんとやりたいところ。

笹野と大澆気鵑仲良いの割と楽しいやつ。
 

 

| 17:01 | 飲んで喚いて呑まれて飲んで。 | comments(0) | - | posted by 狭山 |
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