Untitled.短文保管庫。
最近は殆どがこっちの更新です。

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It Don’t Mean A Thing ‼

結城に誘われ来たのは、普段おれ達とは縁のない国公立大の学祭で。遊びに来るなら、昼間から来ればいいのにこんな夕暮れ時をすぎた時間に、と不審がるおれを余所に「いいからいいから、」と、通路に立ち並ぶ模擬店には目もくれず、ずんずんと突き進む。この学祭に遊びに来た理由も説明されないままに、その背を追いつつため息ひとつ。彼はおれの事をマイペースだと言うが、説明ナシでこんなところまでヒトを連れてくる結城も大概だと、俺は思う。
 
「そろそろココに来た理由、教えてくれても良いと思うんだけど?」
「あれ?言わなかったか?」
「言ってない事すら忘れないでよ」
結城曰く、知り合いがこの大学の学生で、その人が今夜のステージでバンドを組んで演奏するらしい。彼の交友関係は相変わらず広いらしい。馬鹿拗らせた高校生から元ヤン社会人まで、それに国公立大の学生だ。今度はどんな人間が出てくるのやら、だ。
 
「うっわやべ、始まってら」
ステージの見える位置にたどり着くやいなや、あちゃーという顔の結城は気にせずステージに視線を投げる。ステージにはスーツ姿の三人の男、形式はピアノトリオ、圧倒的な質量の音。悪くない。
三人で上手く回されるソロ、そしてピアノとドラムの4バース、曲を変え、そして手を替え品を替え、彼らの世界が広がるステージ。魅了されてしまいそうだ。
やがて、そんなステージも終わりを迎える。満足気な顔の結城はこっちを見ながら「どうよ、片桐」と問うのだ。
「スタンダードやったり、オリジナルやったり、うちと似てるね」
「リーダーが自由な人だからなーピアノも結構いい感じだったな、ドラムも顔に似合わず激しかったし」
うんうん、と相槌を打ちながら結城もそんな感想を口にする。薄々感じては居たが、ベースの強面があのバンドのリーダーらしい。
 
「ぶつかり合ってるようでいて、和は取れてるしー?」
「悪くないだろ」
「悪くないどころか、良いね。次も誘って欲しい位」
「よっしゃ、片桐のOKサインもっらい!」
隣で無邪気にガッツポーズをする結城に呆気にとられたおれに、結城は悪戯が成功した悪ガキそのものの笑みを浮かべて言葉を重ねる「今度、あのバンドと対バンすっから!」と。
「え、いつ決めたの」
「今。これから交渉。芹サンなら断る事ないだろうからほぼ決定?」
携帯片手にソワソワし出す結城の言葉によりベースであるリーダーの名前がセリと言う事だけは分かった。そして結城の言い出したらきかない性格も知ってる。さて、他の三人をどう宥めようか。うちのリーダーはこういうことを俺か鷹晴さんのどちらかに丸投げするのだが、今回の被害者はおれなのだろう。
恐らく知り合いであるリーダーに電話していたのだろう。いつの間にか電話を終えていた結城が相変わらずの悪戯っ子が見せる笑顔で「打ち上げ飛び込み参加すっぞ!」などと言い始める。
「は!?そもそも結城は兎も角おれ知り合いじゃないし!」
「大丈夫大丈夫、音楽は世界共通語だから!!」
「意味わかんないし!」
 
10分後に校門前だから早く行くぞ!と走り出す結城の背中を追いながら、バードランド1番のマイペース人間は絶対に結城だ、とおれは心の中でだけ叫ぶのだった。
 
 
————————————————————
 
 
スウィングしなけりゃ意味ないね!
ECOさん(JJ*nano-spiral)http://id36.fm-p.jp/66/vitaflash/宅ブルースプリングの中夜祭ステージを見に行った結城と片桐くん。結城とブルースプリングの春山さんが知り合いな体で。ソロの回しとか構成とか勝手に妄想してみたけどそんなに出せなかったね!リン様と青山さんの4バースあったら悶え転がる、私が。って思いながら勝手に4バースって入れちゃったり。
リン様オリジナル以外のスタンダードの曲目も勝手に妄想してたんですけど、そこまで勝手に出すのはどうよ、と自重しましたがこんなん書く時点で自重できてないね!!
スーツの先入観か片桐くん春山さんの事男だと思ってるしな!
打ち上げ飛び込み参加した片桐くんとリン様が同楽器同士仲良くしてたら良いなーって妄想まで余ゆゲフンゲフン

すみませんでした!
  
(tumblrより移植:2014/1/11)

| 20:41 | コラボ関係 | comments(0) | - | posted by 狭山 |
お裾分けにも程がある
 
「犬を捨てた覚えは無いぞ」
知った声にそう言葉をかけられて、声の主である芹サンの部屋の前でダンボール数箱の横に立ってた俺はその声にやっと来た!とその声がする方向に視線を向けた。

そもそも、ダンボール数箱と共にこの人の家に向かう事になった理由といえば、数日前に遡る事になる。

「圭兄さん!何だよこれ!!」
いきなり俺が暮らすアパートに国際便で届いた数箱のダンボールの差出人である圭兄さんこと鷹羽圭佑に電話を掛ければ、「あっ、届いたんだー」と暢気な声。「届いたんだー、じゃ無い!この量!おかしいだろ、一人暮らしに送る量としては!!」
送られてきたのは、大量のプレッツェル。焼き菓子だから痛む事についてはとりあえず大丈夫だとしても、この量は部屋を圧迫するレベルで。
「いやぁ、買い付けにドイツ行って来て、駿クンに何かお土産って思ったんだけど、頭が買い付けモードでさーあっ、ちゃんと自腹だから安心して!」
「逆にソレ安心出来ないし……」
普段はしっかりした人の筈な圭兄さんは時折ド天然としか思えない事をやらかしてくれる。久々にやられた。
「っつーか、本当、このダンボールの山どうすれば良いんだよ……」
と漏らせば、「ホラ、そっちに何人か居るじゃん、たっちゃんとか、春山さんとこの妹ちゃんとか」
あと、駿クンの友達とかに配っちゃえば良いじゃんねと電話の向こうで圭兄さんは笑う。
「わかったよ、つうか、コレ全部俺ン所に送ったって事?」
「いや、ソレは買ったのの半分。もう半分はウチで山分けしてるから」
本気で圭兄さんが心配になった。

「……って事で、お裾分けです」
「いきなり電話して来てウチに来たかと思えば、そう言うことか」
それにしても、お裾分けのレベルを超えてるだろ、コレ。と突っ込まれる。だけど、ダンボール4箱のプレッツェルと共に来た身にとっては致し方ない事かもしれない。
「お願いします!貰って下さい!!圭兄さんによれば、オーガニック系であんまり輸入してないヤツらしいんで、レアっすよ!!結構バラ撒いた筈なのにウチにもまだ2箱残ってんですよ!貰って!!!」
「押し売りか」
「お金は頂きません!!」
芹さんは、考えるような顔をして、数秒後、分かった。と言う。
「とりあえず、ばら撒く前に少し片付けるか、駿介、付き合え」
「片付ける?」
片付ける、の意味に首を傾げていれば、芹さんは言葉を続ける
「巽も呼べ、呑むぞ」と。曰く、この山のようなプレッツェルをツマミに呑むと言うことか。
「芋みたいに芽が出ることも無いからな、ばら撒きやすい」
そう付け足した芹サンは携帯を弄りながら部屋のドアを開けた。
「こっちからも呼ぶぞ、お前も会ったことあるだろ、前にやったバンドのドラム」
「ああ、打ち上げ乱入した時の?」
「4人で飲んで食えば少しは減るだろ」
「……多分」
俺もタァ兄に連絡すべく、携帯を取り出しつつそう返す。

多分、今日は帰れそうにない。

「あ、巽にビール買ってこいって言っとけよ」
「ハーイ」
 
—————————————————
 
エコさんとこのブルースプリングと狭山宅バードランドの気付けば第三弾。
この後盛大な暴露大会が催されるような気がする。主に春山さんと鷹晴兄やんによる地元トークで。あと青山さんもなんですかね?
鷹羽さん(圭佑兄さん)のキャラが固まって来た、楽しくなって来やがった。
多分結城宅に送られてきたプレッツェルは8箱程になってると思われる。兄さん、送り過ぎww



 
| 23:40 | コラボ関係 | comments(0) | - | posted by 狭山 |
夜中の流し
 
夜も遅い時間、おれと結城はあるビルの地下に居た。目の前の扉はおれ達も何度か使った事のある小さなライブバーの入り口だった。10人のキャパがあるかどうか、というような小さなバーで、昼間に内輪でライブをしたり、バンドの打ち上げで流れ着いてセッションしてみたり、そういう使われ方をするそこの入り口前で、待機。隣では結城がケースから出したテナーを首からぶら下げて、携帯片手にソワソワしている。
「ねぇ、結城、何でおれ達こんな所で待機してんの?」
「いーから! あとちょっと、あとちょっと! っとキタ!」
結城のiPhoneがポーンと音を立てる。それを合図に結城は思いっきり入り口のドアを開けた。
「ハァーイ!流浪のテナー吹きデース!流し始めましたー!!」
いや、結城、待って、色々おかしい。
奥に座ってる長髪のお兄さんとかすっごい冷たい目で見てるし、ダルそうにネクタイ緩めてる小柄な人は苦虫噛み潰したというか噛み続けたみたいな顔してるし、あっ、長身メガネのお兄さんはニコニコしてるか。寧ろニコニコ出来てるのがすごいね!!
と、いうか、この怪しすぎる登場の仕方と結城の天然モノなブロンドとかさ、怪しい外人だと思われてるんじゃないかな……?
「ホラ、片桐、行くぞ」
「えっ、この空気で普通に入るとか結城意味わかんない」
「ノープロブレムノープロブレム、テイクファイブやるぞ!」
「えええー」
この空気で、何でこいつ普通に演奏しようとしてんの。結城がこうなったらどうせ止められない、おれも腹を括ってピアノの前に座る。ピアノの前に座ってひと呼吸。意識を鍵盤と音、結城にだけ向ければ鍵盤に指を走らせた。テイクファイブ、変拍子のこの曲は結城と2人でよくやる曲だ。伴奏がおれ、メロディを結城、そしてふた周り目にはメロディラインをおれがなぞって結城はバッキングにまわる。お互いにアイコンタクトでソロを投げ合い、テーマへと戻る。
最後の和音から指を離せば、ひと呼吸、それと同時に三人分の拍手が鳴った。
「駿介、お前怪しすぎだろ」
気怠げな拍手を送ってた小柄な人が結城に向かって最もすぎるツッコミを入れる。
「えーっ、インパクトある登場してみろって言ったの芹さんじゃないですかー」
「ただの怪しい外人だったぞ、お前」
おれもそう思います。と頷いていれば、長身メガネのお兄さんが「ねーねー芹ちゃん、この二人は一体何者なの?」と。本当だよ、この場でおれ達は一体何者なんだ。
「流浪のテナー吹きとピアノ弾きじゃね?」
「芹さん酷い!」
小柄な人は結城の言葉をスルーするし、長髪のお兄さんの視線は相変わらず冷たいままだ。
「改めまして!俺が流浪のテナー吹き改め結城駿介でーす、こっちのピアノは片桐、どうぞ宜しく!」
「どうも、片桐です」
「あっ、俺は青山和泉ードラムだよー」
「ンで、私がベースの春山芹、あっちはピアノのリンだ」
やっとの事でお互いに自己紹介を終えると、春山さんは「まぁ飲めや」とビールの缶を寄越してくる。
「駿介、他のメンバーは来ないのか」
「ギターは一応高校生だから無理っすねー、ベースも今日は無理っぽいかなー、あ、タァ兄にメールしてみます?」
「ああ、巽か」
そんな会話をしながら、鷹晴さんにメールを送っていた結城に、最初から持っていた一番の疑問を投げかける。
「ねぇ、結城はこの人たちとどんな関係?」
その問いに、結城は事もなげに「芹さんは地元のご近所さんだよー、あとの2人とは初対面!」と返してきた。そんな所にあんな登場かましたのか。ある意味尊敬するよ。
そんな、俺の呆れきった顔に何を思ったのか、ノープロブレムノープロブレム!と笑う。
「音楽は世界共通語だから!」と。
わからないではない、けれどいきなりすぎる。
おれは困惑のまま、この場に留まる事になった。でもきっと、この困惑も、手にしたビールを飲み干して、セッションを始めるまでだ。
なんたって、音楽は世界共通語なのだから。

(「あっ、芹さん! タァ兄仕事終わったから今から向かうそうですよー!」
「マジか。喜べ和泉、元ヤンドラマーが来るぞ」)


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お星様投げつけられたので、ついECOさん(JJ*nano-spiral)宅ブルースプリングと拙宅バードランド結城・片桐くんとのコラボを。




 
| 23:37 | コラボ関係 | comments(0) | - | posted by 狭山 |
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